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特筆すべき教育

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ドライとウェットの融合

生命は、DNAのもつ情報が、化学反応を制御し、自らが「生きる」システムであり、ヒトは約30億塩基対のDNAの配列が産み出す巨大な情報システムといえます。

最近、コンピュータやネットワークの世界では、「ビックデータ」と呼ばれる分野が脚光を浴びています。ここで、生命を対象とした研究や開発は、まさに、生命のもつ巨大な情報システムを理解し、外環境(投薬や治療を含)からの生命そのものへの影響をシミュレートし、そして、医療に応用し、生命そのものを創りだしていく、ビッグデータの最先端の研究及び産業応用の分野といえます。

ここで、「ドライ」とは、コンピュータを使った教育・研究・開発を指します。「ウェット」とは、実際に、生物を対象とした実験を使った教育・研究・開発を指します。生物や医療を対象とした産業ではこれらの両者の技術を融合することが必須になってきました。

「ドライ」技術を学ぶ

DNA配列データや創薬臨床データなどのビックデータを取り扱うためには、数学・物理・化学の知識に加え、コンピュータを自在に操ることのできる「プログラミング」の技術が欠かせません。また、効率的に行うには、「データ構造」や「アルゴリズム」、「データベース」や「数値計算」の技術を学ぶ必要があります。また、ネットワーク上に散在するデータを収集し、それらをグラッフィクス技術によりわかりやすく表現する技術も必要です。そのためには、巨大なシステムを構築することになるため、「プログラム設計」などの知識も必要です。それらをいずれも、当学科では学ぶことができます。

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「ウェット」の技術を学ぶ

生物は、DNAの持つ情報を、化学反応や物理現象を制御し、「生命」というかたちをつくりあげます。したがって、生命を対象にするには、こうした化学反応や物理現象を実験・観察することが必要です。当学科では、「化学実験」、生物の化学反応を測定するための「生化学実験」、「ライフサイエンス実験」など、多くの実験科目が用意されています。「バイオテクノロジー」では、生命の情報の源である遺伝子の配列を決定し、遺伝子を改変し、そして、大腸菌に目的とした遺伝子を導入し、生物の変異体を作成することも学びます。

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「融合」技術を学ぶ

ウェットの実験・観察で得られた情報を、コンピュータに解析させたり、生命の反応をコンピュータ上で再現させたりする技術が融合技術です。例えば、「創薬」技術では、以前だと多くの薬を実際に生物に適用させ、効果があるかないかを試す必要がありましたが、薬の標的となるタンパク質の構造を求め、その構造に適合する薬を作成することがなされる時代になりました。また、ヒトの遺伝子の配列がすぐに決定できるようになり、大量の配列データを解析し、特定の病気になる確率を計算できるようになりました。当学科では、こうした融合技術も学ぶことができます。また、各々の研究室で研究・開発しています

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フィジカルコンピューティング

脈を指先で測る装置を作る ―ハード・ソフトと生物・化学の組み合わせ―

医療機関では、脈の測定に指に挟む器具が用いられています。血液の赤血球中の血色素(ヘモグロビン)は、鉄を含むヘムという色素とグロビンというタンパク質からできていて、このヘムは赤外線を反射します。この器具では、指に赤外線を照らして、色素の反射を光センサーで感知することで、指の血管を流れる血液の量を測定します。

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図1:測定の原理
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当学科では、この原理に基づいて、脈を指先で測る装置を作る実習を実施しています。具体的には、赤外線LEDおよび光センサーをマイクロコンピュータとつなぐ電子回路を作製し、マイコンのプログラミングを行います*。さらに,ここで得られたデータは微分などの解析をすれば、血管にかかる力についての情報が得られます。この解析は動脈硬化の診断に利用されています。

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図2:測定装置
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図3:データ解析
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この実習を通して、ハード(電子回路)とソフト(情報)の技術に、生物・化学の知識を組み合わせることで、医療技術が発展してきたことを学びます。多分野の知識・技術を組み合わせて新しい技術を創造出来る人材の育成を目指します。

*入出力デバイスをマイクロコンピュータとつなぐ電子工作とマイコンのプログラミングの組み合わせは、フィジカルコンピューティングといい、さまざまなおもしろいシステムをつくることができます(http://www.iizuka.kyutech.ac.jp/faculty/physicalcomputing/)。(当学科では、脈の測定のほか、熱電対(温度センサー)を用いた実習も実施しています。)

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デザイン思考の教育

Question(課題)を発見するとともに、Solution(解決法)を提案できる人材を

近年、実社会においては、チーム内の協力を通して、社会における要求を的確にくみ取り、その要求を実現させるまでの道筋を具体化することがますます重要視されています。こうしたビジネスをソリューションビジネスと呼びます。多くの会社名にソリューションという言葉がついていることに気がつくことでしょう。

このような時代においては、「問題発見」と「問題解決」に関わる複合的な能力が必要です。しかしながら、このような能力の育成には従来のような系統学習だけでは不十分です。

PBL・デザイン思考の導入

問題発見・解決能力の育成としては、Problem Based Learning (PBL; 問題解決型学習) やデザイン思考が近年注目を浴びています。このような背景から、本学科においては、 PBLとデザイン思考のプログラムを重点的にするため、いくつかの演習科目の内容を大きく変更し、新しいカリキュラムを目指しています。

具体的には、学生のみなさんは、デザイン思考において、問題発見・解決の提案をチーム内で効果的に促すいくつかの手法(ブレインストーミング法、KJ法、プロトタイプ設計)を駆使して、問題発見から解決法提案のプレゼンテーションまで一連の流れを体験します(下図参照)。

複数の演習科目からの多角的学習

このような、PBL型、チーム学習型の演習は、既に、「バイオ技術者倫理」や「バイオテクノロジー実験(演習課題のひとつ(BTI-3)として)」などの複数の科目で導入されています。これらの演習科目において、様々な種類の実問題についてチームで多角的な解決法の提案することで、学生のみなさんは実社会で必要な、問題発見、問題解決、コミュニケーション能力を培うことができます。

1) ブレインストーミング(分散思考)とKJ法(統合思考)を用いて問題点と解決法を発見・整理し、コンセプトを提案します。 bti3-01_3
2) そのコンセプトを元に、解決法(プロダクト)のプロトタイプを設計します。  bti3-02_3
3) チーム内・外の意見を反映することでプロトタイプを洗練し、最終的な提案につなげます。 bti3-03_3
 4) 最終的な提案をプレゼンテーションし、討論を行います。 bti3-04_3

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