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松山明彦 研究室

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ソフトマテリアルにおける様々な相転移現象の解明や予測を目指して, 統計物理学を基礎とした理論や, 計算機シミュレーションによる研究を行っている。特に, ソフトマテリアルにおける液晶相転移に注目している。

1 ソフトマテリアル

高分子や液晶分子・界面活性剤分子・ゲル・コロイド粒子などから構成される物質を総称して,ソフトマテリアルあるいはソフトマターと言います。ここでのソフトとは柔らかい物質という意味です。普通の低分子は分子の大きさが数オングストロームであるのに対して,ソフトマテリアルは数百から数千オングストロームの大きさの分子や分子集団によって構成されています。簡単に言うと, ソフトマテリアルは分子の大きさや形が違うだけで様々な相互作用を生み出し,物質の構造, 安定性が決まる物質であり,また,エントロピーの科学といっても過言では無いでしょう。

さらに, 新素材の開発や生命現象の探求においても重要であり, 食品や化粧品,薬など我々の日常と密接に関係している物質でもあります。ソフトマテリアル物性の理解は, 基礎的かつ応用的観点から,21世紀においてますます重要となってきています。当研究室ではこのようなソフトマテリアルの様々な物性について, 特に液晶相転移に注目して,物理学的側面から, 理論の構築や計算機シミュレーションによる研究を行っています。

2 生体関連・液晶複合系の研究
物質には気体, 液体, 個体の3 つの状態(相)が存在します。しかし,ソフトマターの多くが結晶的な異方性と液体的な流動性を持った液晶相とよばれる状態をもちます。温度や濃度をコントロールすることで, 様々な液晶状態への相転移が起こります。このような液晶相に, 高分子や界面活性剤やコロイド粒子などを混合させた液晶複合系には,はたしていかなる相転移が潜んでいるか? これらの液晶複合系は, 新しい複合材料の設計や,生体内の階層構造の理解においても重要です。このような液晶複合系では, 濃度と配向秩序の2つの秩序パラメーターが競合することにより,材料の構造,パターン,相分離などが決定されます( 図)。現在,高分子と液晶分子の混合系の相分離[1], 液晶ゲルの体積相転移[2],棒状コロイド分散系の枯渇相互作用[3], 膜と棒状高分子の相分離などについて研究を行っています。

計算機シミュレーション
Fig. 1: 高分子と液晶分子の混合系の相図と,後期段階での相分離パターンの計算機シミュレーション

参考文献

  • 液晶分子と高分子の混合系の相分離、液晶、5,225 (2001).
  • Discontinuous Elongation of Nematic Gels by a Magnetic Field, Phys. Rev. E 64, 010701(R) (2001).
  • Orientation-dependent depletion interaction in rodlike colloid-polymer mixtures, Eur. Phys.J. E 6, 15 (2001).

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