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生命情報工学科主催 講演会のお知らせ


(1)
題目:
 真核生物の遺伝子転写制御機構のモデル化と解析
講師: 朴 聖俊 特任助教
     (京都大学大学院情報学研究科)
(2)
題目: microRNAの標的推定
講師: 矢田哲士 准教授
     (京都大学大学院情報学研究科)

日時: 平成22年1月28日(木) 14時40分~16時10分
場所: 共通教育研究棟AV講義室※キャンパスマップはこちら

概要:


(1)真核生物の遺伝子転写制御機構のモデル化と解析
 近年、遺伝子実験技術とバイオインフォマティクス技術の進歩に伴い、遺伝子発現の制御機構が明らかになりつつある。とくに、クロマチン免疫沈降と次世代シーケンサーからの膨大な実験データは、より深化した転写制御マップの構築を可能にする。このようなマップを解析することでゲノムワイドな遺伝子転写制御の様相を明らかにすることができる。ここでは、真核生物のゲノムワイドな制御マップを用いて、転写制御領域(プロモーター)からタンパク質が結合する配列(シス因子)の発見方法について概説する。ここでは主に、Phylogenetic Footprinting法と呼ばれるin silico技術とChIP-Seqと呼ばれるin vivoタンパク質結合情報を題材にする。また、同定したシス因子間の相互作用を推定する方法について、我々が取り組んでいる対数線形グラフィカルモデリングを中心に概説する。最後に、大規模な転写制御機構のモデル化と解析における今後の課題について議論する。

(2)microRNAの標的推定
 microRNA(miRNA)は、動物や植物に広く見られる小さな内在性のRNAで、mRNAの3’UTRへの結合を通して、標的mRNAの転写後の調節(分解または翻訳の抑制)を担っている。そして、miRNAは、細胞増殖、細胞死、細胞運命系譜の決定、幹細胞の維持、発生段階の時間的な制御といったさまざまな生物学的なプロセスに関与していることが明らかになってきた。これまで、RNAは、DNAに蓄えられた遺伝
情報を機能分子であるタンパク質に翻訳する仲介分子としてしか考えられてこなかったが、これらの発見により、RNAこそが生物の複雑さを生みだす大きな基盤になっているという新しいパラダイムが誕生し、古典的な分子生物学のセントラルドグマを書き換えた。ここでは、miRNAの生物学的な機能を解明する上で欠くことができないmiRNAの標的推定について、そのバイオインフォマティックス手法を解説する。従来法が採用するアプローチとその課題を明らかにするとともに、我々が開発した新しい推定法を紹介する。この推定法は、miRNAによる遺伝情報の発現調節の仕組みについて、従来法とは全く異なる視点を提供している。

講演会世話人: 皿井明倫

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