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引間知広 研究室

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私達は病気になった時、薬のお世話になります。病院では医師が病状にあった薬を処方してくれますし、薬局では自分の判断で薬を買う事が出来ます。この様に手軽に手に入る薬ですが、決められた量を飲まないと治療効果が現れないだけではなく、身体に害(副作用)が出てしまいます。また植物や作物を守るために散布する農薬は、その大部分が環境(大気、水、そして地中)に留まり、さらには農薬散布者の体内に入り、環境汚染や副作用の原因となります。このような問題を解決するためには、必要な量の薬物や農薬を、必要な時に、必要な場所へ送達することが望ましいのです。これが安全で効果的な薬物送達システム(Drug Delivery System)です。私達の研究室では、以下に示したDDSを応用した治療システム、ならびに新しい化合物の開発・研究を行っています。

  1. 経皮治療システム
    皮膚には優れた防御機能がある為、皮膚から体内へ薬物を送達する事は非常に難しいです。しかし皮膚から薬物を送達する事は、他の薬物投与経路に比べ多くの利点が挙げられます。そこで私達は、皮膚の防御機能を回避し、体内へ薬物を送達させる方法について研究を行なっています。様々な研究者や企業と協力して、薬物貯蔵部、薬物放出制御部、コントローラ、電源を1つにした治療システムの構築を目指しています。
  2. 眼科薬物送達システム
    眼内の疾患には、点眼薬や経口剤が用いられています。しかし、眼内へ到達できる薬物量は、投与された薬物量の1%もありません。そこで、眼内へ薬物を直接送達する効果的な方法について研究を行なっています。
  3. 刺激応答型薬物担体の開発
    体内の血液に入った薬物は、すぐさま腎臓から排泄されます。これを回避する方法の1つに担体の利用が挙げられます。この担体に薬物を含有すれば、薬物が体内に滞留する事になります。私達は、血液中に滞留した担体を、さらに患部のみへ送達させる方法について研究を行なっています。
  4. 化粧品へのDDSの応用
    化粧品には様々な成分が含まれています。最近、その含有成分による副作用が問題となっています。この問題は、含有成分の皮膚内での動きを制御する事が出来れば解決する事が出来ます。そこでDDSの考え方を応用し、身体に安全で、新しい含有成分の開発を行なっています。
  5. DDS設計支援のための体内薬物動態シミュレーション
    薬物を皮膚や眼に投与した場合、複雑な過程を経て全身および組織内へ分布していきます。この分布の仕方は、適当なモデル式を構築することにより予測が可能です。私達は経皮治療システムにおけるSKIN-CAD™、眼科DDSにおけるEYE-VP™等の体内動態モデルを提案しています。これらのモデルでは、今までに報告されている数学モデルで考慮できなかった、電場等の薬物透過促進法だけでなく、皮膚や眼内での代謝作用も考慮できます。これらのモデルにより、実験での測定が難しい組織内濃度分布や時間変化の予測ができ、またヒト臨床デ-タと動物実験デ-タとの関係を橋渡しすることにより、新規薬物投与方法の開発の手助けとなります。

最近の主な著者・論文

  • Tomohiro HIKIMA and Kakuji TOJO
    Combined use of iontophoresis and other physical methods, Percutaneous penetration enhancers, Eds; Nina DRAGICEVIC-CURIC and Howard I. MAIBACH,
    Springer Verlag, February 2015
  • 引間知広
    経皮治療システムの現状と微細加工技術の応用
    三島光産技報、2014年1月発行
  • Ryo MOROFUJI, Tomohiro HIKIMA*, and Kakuji TOJO
    Effect of diffusive direction across the skin on the penetration profile of chemicals in vitro, Biological & Pharmaceutical Bulletin, 36(11): 1760-1765, 2013
  • Tomohiro HIKIMA*, Yoshinaga TAMURA, Yukio YAMAWAKI, Masashi YAMAMOTO, and Kakuji TOJO.
    Skin accumulation and penetration of a hydrophilic compound by a novel gemini surfactant, sodium dilauramidoglutamide lysine
    International Journal of Pharmaceutics, 443(1-2): 288-292, 2013

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