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安永卓生 研究室

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1. プロローグ

生命が生み出した立体構造は、生命が機能を生み出す物理的背景です。生命は、その構造を基盤として数多くの生物活性を生み出し、その構造を 進化させることにより、より高次の機能を獲得してきました。研究生活を始めた時、「生命の構造機能連関機構を覗き見たい」という思いに駆られました。この立場の研究を(広義の)構造生物学といいます。

2. 研究

顕微鏡は、小さな世界を見るための道具です。電子、光、計算機をプローブとすれば、目で直接観察できない小さな世界を覗き見る事ができます。覗き見るべき世界は、我々の世界とは違う世界です。慣性力が働かず、粘性抵抗と熱揺動の支配する世界です。その世界で、タンパク質などはマクロな機械と同じ動作原理で動いているのでしょうか。それが知りたいのです。

2.1 研究手法

電子顕微鏡は、タンパク質レベルから、細胞レベルまでの構造情報を観察できる可能性のある手段です。そこで、電子顕微鏡の可能性を限界まで引き出すための電子顕微鏡法・画像解析法を開発しています。世界に先駆けて、筋収縮制御タンパク質の3次元構造を可視化しました。現在、タンパク質一分子をナノメートル分解能で観察することに成功し、一分子構造生物学への一歩一歩進んでいます。

また、実世界である生命の世界を観察するための新しい「観察」手段として、ヒトが知りたい情報を取り出してくる計算機顕微鏡の開発を目指しています。計算機を用いれば、実験では困難な進化の情報も取り込むことが出来ます。まずは、構造情報の統合化アルゴリズムの開発から始め、蛍光エネルギー移動法による距離情報と他の構造情報を統合するアルゴリズムを開発し、ミオシン分子の3次元構造変化を捉えることが出来ました。

2.2 研究対象

現在、3つのバイオアルゴリズム探索を行っています。一つは、化学エネルギーを、力学的エネルギーに変換するタンパク質とその複合体(モータータンパク質及びその制御タンパク質)を用いた、 エネルギー変換のバイオアルゴリズム探索です。3次元構造(図)から、構造機能連関の分子機構を明らかにする事を目指しています。

次に、細胞骨格系に注目して、細胞の動的高次構造を作るためのバイオアルゴリズムを探索しています。更に、分子シャペロン、水溶性フラーレン等を使った、生命の構造形成力のバイオアルゴリズム・疎水性相互作用の物理的実体の探索を行っています。

3次元構造

3. エピローグ

「目に見えない小さな世界を覗き見る」為の顕微鏡を使った生命機能の理解を目指しています。「生命のアルゴリズムの探索と設計」がキーワードです。

主な論文等

  • Relocation of Cys374 of actin induced by labeling with fluorescent dyes, J. Biochem. (TOKYO) 129: (2) 201-204. (2001)
  • Swing of the lever arm of a myosin motor at the isomerization and phosphate-release steps., Nature. 396(6709):380-3. (1998)
  • Extensible and object-oriented system Eos supplies a new environment for image analysis of electron micrographs of macromolecules., J Struct Biol. 116(1):155-60. (1996)

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