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青木俊介 研究室

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ヒトゲノムプロジェクトによって生体の主要構成パーツである約2万5千個のタンパク質のアミノ酸配列がほぼすべて解き明かされました。ポストゲノム研究の主たる標的は構造ゲノム研究へシフトしタンパク質立体構造解析が進展する中、近い将来にほぼ全てのタンパク質の基本構造が明らかにされる事が予測されます。このような構造ゲノム研究の主たるアウトプットはタンパク質を構成する原子の三次元的な座標情報です。一方で、最近、脳研究分野は目覚ましい発展を遂げており記憶や学習など高次脳機能や喜び・恐怖などの心の働き方の素過程に関して分子レベルでの研究が試みられるようになってきました。このような脳機能の発現も突き詰めれば神経回路網を流れる電気的信号の情報処理によって行われています。わたしたちの研究チームはタンパク質の構造情報や神経ネットワークにおける電気信号の情報などの生命情報を手掛かりにして情報工学的手法と生命工学的手法を駆使することで細胞や組織、脳機能などを制御する新しい技術を開発する事を目指して研究を進めています。

1.タンパク質の構造情報に基づく生体制御化合物の探索
蛋白質分子はボールのような単なる球体では無く、複雑に入り組んだ表面構造を持っています。その表面構造の深く窪んだ部分はポケットと呼ばれており、普通どのようなタンパク質でも複数個のポケットを持っていますし、個々のポケットはそれぞれ異なる形を有しています。このポケット構造は生体内の代謝産物を処理する為の場であったり、他のタンパク質と結合して生命情報を伝達することに使われている事が近年の研究から明らかになってきました。しかしながら、たくさんある生体内タンパク質のポケットのうち、その役割が明らかになっている物はごく僅かに過ぎません。わたしたちの研究チームはコンピュータによる計算科学の手法(並列計算によるドッキングシミュレーション)を用いてタンパク質のポケットに入り込みタンパク質の機能を変化させる化学物質の探索を行っています。そのような化学物質を生体制御ツールとして利用する事でタンパク質ポケット構造の未知の機能を明らかにし、その機能を制御する事で病気の治療や診断に役立てることを目指して研究を進めています。

タンパク質の構造情報に基づく生体制御化合物の探索

2.神経回路網からのマルチアレー情報抽出とその応用
わたしたちの研究チームはES細胞や神経幹細胞など多能な分化能を有する細胞群を試験管内で培養し神経系の細胞に分化させる技術を持っています。またマウスなどの齧歯類の胎児の脳から神経細胞を取り出して培養する技術をこれまでに確立してきました。これら、脳を構成する要素としての培養神経細胞(培養ニューロン)を研究の対象として、神経細胞間のニューロンネットワークを流れる電気的情報をマルチ電極アレーによって抽出・操作することで、学習や記憶脳を有するミニブレインを試験管内で構築する研究を進めています。このような研究を進展すると供に前出のタンパク質ポケットに作用する科学物質を利用した生体制御技術を組み合わせることで、神経工学における新しい研究領域を創成することを目指します。

神経回路網からのマルチアレー情報抽出とその応用

最近の主な論文(過去3年)

  • Sasaki, R., Aoki, S., Yamato, M., ., Uchiyama, H., Wada, K., Okano, T., and Ogiuchi, H. Tubulation with Dental Pulp Cells Promotes Facial Nerve Regeneration in Rats. Tissue Engineering: Part A. Vol.14, in press, 2008.
  • Kabuta T, Furuta A, Aoki S, Furuta K, Wada K. Aberrant interaction between Parkinson’s disease-associated mutant UCH-L1 and the lysosomal receptor for chaperone-mediated autophagy. J Biol Chem. in press. 2008.
  • Sasaki R, Aoki S, Yamato M, Uchiyama H, Wada K, Okano T, Ogiuchi H. Neurosphere generation from dental pulp of adult rat incisor. Eur J Neurosci. 27:538-48.2008.
  • Kabuta T, Setsuie R, Mitsui T, Kinugawa A, Sakurai M, Aoki S, Uchida K, Wada K. Aberrant molecular properties shared by familial Parkinson’s disease-associated mutant UCH-L1 and carbonyl-modified UCH-L1. Hum Mol Genet. vol.17, p1482-1496. 2008.

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