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「動物実験を取り巻く現状とその対応」 8月9日開催

日  時:平成 22年 8月 9日(月) 16:00~17:00

場  所:新棟5F 大学院セミナー室

講演者:佐加良 英治 先生(兵庫医科大学 動物実験施設)

 概要:平成18年6月1日に改正された動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動愛法)が施行された。この時期に合わせて、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準、文科省の研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(以下、基本指針)等が告示され、それらに基づき動物実験を実施することで、従来よりも動物福祉の向上に配慮し、適正に動物実験を実施するようになったとされる。しかしながら、動物愛護団体等は、日本の現状のルールはあくまでも自主規制によるものであり、国や州が動物実験の実施に関与している欧米諸国とは異なると主張している。これらの主張に対して、基本指針への完全な適合が必要であるとの提言が、実験動物関連学会等でなされている。具体的に言うと、機関内の動物実験規程の制定、動物実験委員会の設置、情報公開、自己点検・評価、外部検証の5項目の実施である。多くの大学では、機関内の動物実験規程の制定、動物実験委員会の設置までは行っているが、そこから先がなかなか実施されていない。例えば、これまでに外部検証を行った大学等はわずか6校のみである。今後は基本指針への完全適合が動物実験を行う大学等で求められるであろう。なお、動愛法の改正は来年度に行われる予定であるが、動物愛護団体等はより強い規制を要望していると聞いている。基本指針への適合が十分にできなければ、法による動物実験の規制という可能性もあるので、早期に適合するように努める必要がある。なお、化粧品業界等ではEUでの動物実験の規制を受けて、今年度末にも動物実験を全廃する企業も出てきている。

 最近、動物実験の現場で、動物アレルギーがクローズアップされている。我々が動物実験を行っている全国の研究・教育機関へ調査を行ったところ、動物アレルギー患者・擬患者の機関での保有率は、動物アレルギーと診断された患者が42.4%、動物アレルギーと診断されていないが、症状を持つ擬患者が62.1%に登り、回答を得た機関の約半数で動物アレルギー患者・擬患者が発生していた。また、アナフィラキシーショックをおこし、生死の境をさまよったケースも6件あった。しかしながら、多くの機関で動物アレルギーに対する防御対策をとっていなかった。さらに、アナフィラキシーの危険性に対する認識に問題のある機関があった。講演では、動物アレルギーに対する対応を解説したい。

世話人:北田 栄

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