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「光合成生物におけるヘム代謝酵素のX線結晶解析」 7月8日開催

題目:光合成生物におけるヘム代謝酵素のX線結晶解析

講師:杉島正一先生 久留米大学医学部化学講座講師)

日時:2010年7月8日 16:20~17:50

場所:新棟5F 大学院セミナー室 

 

概要:ヘムは様々なタンパク質の補欠分子族として機能する分子であり、ヘモグロビ
ンに代表される酸素運搬機能、シトクロムに代表される電子伝達機能、シトクロム
P450に代表される酵素反応中心などの多様な機能を果たす。光合成生物においてもヘ
ムのこれらの機能は変わらないが、ヘムの代謝物は光合成色素および光センサータン
パク質の発色団として働くため、それらの色素の生合成中間物としての役割も担って
いる。紅藻やシアノバクテリアではフィコビリソームと呼ばれる光捕集器官が発達し
ており、ヘム代謝物はこの光捕集器官において光合成色素として主要な役割を果たし
ている。一方で植物ではフィトクロムと呼ばれる発芽や開花において重要な役割を果
たす赤色光センサータンパク質が存在し、ヘム代謝物はその発色団として機能している。
フィコビリソーム中で機能するヘム代謝物(フィコビリン)やフィトクロム中で機能
するヘム代謝物(フィトクロモビリン)は同じヘム代謝物を出発物質とするが、その
後に働く様々な還元酵素(フェレドキシン依存性ビリン還元酵素(FDBR)ファミリー)
によって、それぞれ異なる位置が還元され、バラエティーに富んだ色調を持つ色素が
生合成される。
本セミナーではFDBRファミリーの立体構造や構造に立脚した生化学的解析について説
明する。FDBRファミリーは金属やフラビンなどの補欠分子族を持たない還元酵素で、
フェレドキシンからの還元力が直接基質に受け渡されることが特徴である。フェレド
キシンは一電子還元しか行わないため、基質は中間状態としてラジカルを経由するこ
とになる。FDBRファミリーはその中間状態の反応性をうまく制御して、特定の部位の
みを還元する。本セミナーではその反応の制御機構に迫っていきたい。

                                                                         世話人:坂本寛 准教授

  

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